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100里の道を行く者は、90を以って半ばとす

 ゲーム画面にはキャラクターや背景など様々なグラフィックが表示されます。これらはあらかじめ描かれた絵を読み込んで画面に表示しています。そのためゲーム中で使用する絵は全部自分で用意しなければいけません。私のように絵心がない者の場合、規約を守れば無料で使用できるフリー素材を公開しているサイトから目当ての絵を探します。
 初めてゲームを作った時も、まずそうやってサイトを巡回していました。マップやエフェクト、キャラクターや背景など使用する素材を順調に見つけていく中、メカの素材だけが見つかりません。他のものはちゃんと見つかったので探せばそのうち出てくるだろうと後回しにして、メカについてはダミーの絵を使ってゲーム部分を作っていきました。
 そうこうしながらゲームもほぼ完成し、あとはメカの絵を正規のものに差し替えれば終わりです。最後の仕事と意気込んでメカ素材探しを再開したのですが、どうしても見つかりません。後になって気づいたのですが、フリーゲームではメカを扱ったゲームは数が少ないのです。やはり供給というのは需要に比例するものですから、作る人間が少ないゲームジャンルならそれ用のフリー素材も少なくて当然です。さんざん探したにも関わらず、結局メカの素材は見つかりません。見つからなければ自分で描かなければいけません。
 もうすぐ終わりだと思っていたのに、メカの絵を自分で描かなければならないという大仕事が待っていたのです。100里の道を行く者は90を以って半ばとす、という言葉がありますが、それがものすごく意地悪な形で現れたような状況でした。今思い返しても、最初にソフトを作った作業時間の中で半分以上はメカ素材を描くのに費やしていたのではないでしょうか。半ばどころではありませんでした。
 描くといっても当時はロボットの絵を描いた経験なんて殆どなく、使い方が簡単と聞いたメタセコイアという3D制作ツールを見つけ出してなんとか作業を開始した次第です。3Dツールを使って描いた絵は元々が機械的な質感を持っているようなので、素人が作ったものでもなんとか誤魔化しが効いたのが不幸中の幸いでしょうか。それでも素材作りの作業が完了するまでに何ヶ月もの期間が追加でかかってしまいました。
 今年もあと少しで終わりという時期になって、なぜかそんな話を思い出したニシハラでした。

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